YouTubeなどの動画サイトを観ていると、「FANCAM」という表記を目にすることがあります。
「fancam(ファンカム)」とは何ぞや・・・?
これはザックリ言ってしまうと、「ファンが撮影した映像」と思っていれば間違いないと思います。
まぁ、K-Popファンなら知らない人はいないと思いますが一応(笑)
de、このファンカムなんですが、日本ではほぼほぼ違法ですよね。
それでも撮影している人はいますが:o
なので日本のファンからしてみれば、「こんなの勝手に撮影していいの?」とか思ってしまいます。
韓国でも実際の所は完全な合法では無いようですが(会場やイヴェントにもよる)、K-Popやアーティストの宣伝等にSNSや動画サイトが及ぼす効果が大きいと考える節があるようですね。
なので実際には「限りなく黒に近いグレー状態」なのかなぁ・・・と俺は思ってます。
さて、ファンカムのエピソードとして有名なのは、やはり『EXID』というガールズ・グループの話ではないでしょうか・・・?
2014年8月7日に発売された「UP & DOWN」
T-ARAの曲も手がけている「シンサドン・ホレンイ」による作品でしたが、あまり評判は良くなく、発売から二ヵ月後には音源順位が323位にまでに落ちてしまったといいます。
しかし、EXIDのファンである「pharkil」と名乗る人物がSNSに自分が撮影したEXIDのファンカムを投稿したことがキッカケでチャートを逆走し始め、2015年1月にはメロン・チャートや地上波放送でも1位を獲得するまでに登りつめたというのです。
たった一人のファンのファンカムによってココまでの人気回復とはにわかに信じ難い話ですが、どうやら実際にあった話のようですね。
しかし、ファンカムが投稿された時点でのEXIDは、事実上活動が中断された状態まで追い込まれていたという話です。
だとしたなら、ファンカムを投稿してくれたpharkilというユーザー、そしてファンカムはEXIDにとってかなりありがたい存在だといえますが、第一線で活躍するグループやシンガーのファンカムを、この件と同列で話すことには正直疑問を感じます。
このような例の他にも単に観る側からの利点としては、行けなかったコンサートの様子を観る事ができる、様々な角度からの映像が観れる、グループの中でも一人に絞った映像が観れる・・・などがあります。
さて、この動画はチャート逆走のキッカケとなったファンカムらしいのですが・・・。
ご覧のように広告が表示されています・・・。
以前、収入に関する話題を見かけたことがありました。
そこにはこのpharkilなる人物の
YouTubeからの推定年収が当時で400万円〜3000万円と書かれていましたが、ちょっと待ってください。
まずYouTubeによって自身で収入を得る場合、手続きが面倒な上に、審査があります。
その審査を通過しないと、収益化は実現できません。
この映像は有名なアーティストのパフォーマンスであり、なおかつBGMには恐らく事務所が権利を持つ楽曲が流れています。
普通なら違法でアウトな代物です。
実際、誰でもない「YouTube」が違法としているのです。
YouTubeにはこれとは別に、「Content ID」というシステムが存在します。
ContentIDでは、著作権のあるコンテンツが許可なくアップロードされている可能性があるケースが見つかると、著作権所有者に通知されるシステムになっています(自ら発見した場合も発行できたはず)。
著作権所有者はその上で、次の4つからオプションを選択できます。
- Content ID と一致する音声をミュートする(音声を消す)
- 閲覧できないよう動画全体をブロックする
- 動画に広告が表示されるようにして収益化する
- その動画の再生に関する統計情報を追跡する
先にリンクした「Sosial Blade」というサイトが、自身の収益化による広告なのか、ContentIDによる広告なのか、区別しているかどうかはわかりません(多分してない)。
ちなみにYouTubeはContent IDにより、著作権所有者に7年間で10億ドル(日本円にして約1200億円)を支払っているそうです。
いずれにしても、このファンカムでpharkilという人物がContent IDのシステムをすり抜けて自身で収益化しているとするならば、ファンカムがどうのこうのという以前に完全な違法行為となります。
先にも書いたとおり、音源の著作権所有者はpharkil氏ではなく、恐らく事務所だからです。
しかし、事務所やEXIDのメンバーがこの人物にコンタクトを取ったという話もあるので、事務所公認という考え方もできますが、どうなんでしょう?
ですがEXIDと一緒に食事することを断るような人物です。俺は事務所公認とは考えません。
やはりContent IDによる広告だと考えるのが妥当と俺は思います。
すなわち、事務所側は一旦はこの動画を「ウチが著作権を持っている素材があなたの動画に含まれているのが見つかりました」と判断しているわけです。
そうでなければ何もせずに黙認すればいいだけのことですから。
この推理通りならば、広告料はpharkil氏ではなく、事務所に入ることになります。
自身の収益化ではないので、再生による収入もありません(多分というか無いと思う)。
・・・実際はどちらの広告かわからないんですけどね。
さて、大きく話が逸れてしまいました^^;
ファンカムには観る方にとっては都合よく解釈し過ぎる部分があると思います。
このブログでもいくつか紹介していますし、権利関係の話については色々と偉そうなことは語れないんですが、一方では撮影したものがそのまま海賊版として発売されたり、会場でのマナーの問題、自身の利益のためだけの利用(金銭以外の面でも)など、色々問題はあると思います。
以前、「C-JeS Entertainment」がファンカム規制に乗り出したこともあったようですし(現在はどうか知りませんが)
俺の中でも色々と矛盾はあるんです。
撮影禁止や撮影を害だと思ってる人、それからファンカムを非難している人を非難するのも違うと思いますし、だからといって観れなくなるのは困るとか、絶賛するというのも違うような気がしますし・・・。
色々楽しませてもらってる事実もあるんですが、とっても微妙なんですよね・・・。
今のご時世に何でもかんでも撮影は禁止というのは無理があるのかもしれないですし、見直す時期が来ているのかもしれません。
しかし、撮影を禁止することにも理由があるんだということ、権利は事務所やレコード会社等を守っている側面もありますが、「アーティストを守っている」という面があるということを頭の片隅にでも置いておくことも大切なことだと思います。
やたらと長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!