ネットって、事実を伝える媒体なのか、事実を事実で無くしてしまう媒体なのか、よくわからなくなってきました。
まぁ、使う人によって変わってくるんでしょうが・・・。

例えば・・・。

あなたはネットのサイトや掲示板で、とあるニュースを目にしました。
その内容は・・・。

『イジメの実体！ ○○市の少年A、同じ学校の少年Bをイジメ、川に突き落とす』
○○市の少年Aは普段から素行が悪く、近所からの評判も悪かったといいます。
その少年Aが近所の○○川で少年Bを川に突き落とし、金属棒を使って岸に上がれないようにしていたというのです。

そしてこの記事にはモザイクがかけられた犯行現場の動画が一緒にUPしてありました。
あなたはそれを再生し、目に焼き付けました。

この記事と動画を見たあなたは、誰が悪いと判断しますか？
まぁ、普通なら当然、少年Aが悪いと判断しますよね・・・？
これがあなたの見た「事実」です。


ここで人物像を見てみましょう。

少年A : ○○市ではかなり有名な素行の悪い生徒。先生にも掴みかかるような血の気の多さ。喧嘩の噂は絶えない。
しかし、自分より弱い者は決していじめたりはしなかった。ペットのイヌを溺愛する面も。
学校のサイトの掲示板でもあること無いこと書かれていたが、彼は気にしていなかった。

少年B : 典型的ないじめられっこ。とても気が弱い。
しかし、少年Aとは音楽の趣味が合うため、たまに交流があった。だが、その事実を知る者はあまりいなかった。


さて、もう一度犯行が行われたとされる時間に戻ってみましょう・・・。

少年Aはいつものように、土手の道を歩きながら自宅に向かっていました。
するとどこからか「助けて～」という叫び声が聞こえてきます。
少年Aは声のするほうへ走っていくと、なんと少年Bが溺れてもがいています。

少年Aは急いで土手を走り降りて、少年Bを助けようとしますが、自分も泳ぐことが出来ません。
そこで傍に落ちていた金属のパイプの棒を使い、少年Bの方に何度も突き出し、「これにつかまれ！」と叫びます。

ちょうどその頃、少年Cは土手を歩いていました。
そして、遠くに少年AとBの姿を見つけます。
少年Cは少年A,Bとは違うクラスでしたが、少年Aのことは学校のサイトの掲示板を見ていたので「その情報」でよく知っていました。
少年Cは、遠くにいる二人を見て、少年Aが少年Bのことを棒を使っていじめていると勘違いしてしまったのです。
遠いので、もちろん声は聞こえません。
少年Cは証拠にするために携帯で動画をズームで撮影し、学校に通報し、少年Aとは関わりたくないのでそのままその場を去ってしまいました。

その直後、少年Aは少年Bを助けることに成功します。
これが本当の事実です。

しかし翌日、少年Aは教師から少年Bをイジメていただろ！？と言われます。
少年Aは否定しますが、普段から素行の悪い彼の声など聞いてはくれません。
少年Aは誰から通報が来たのか教師に聞きますが、教えてくれるはずもありません。

さらに悪い出来事は続きます。
なんと、少年Cは撮影した動画を掲示板にUPしていたのです。
ズーム撮影されたその動画は、多少ボケていましたが、少年AとBの姿は確認できる程度の画質です。
しかも、その様子は音声が無いので、少年AがBを棒を使っていじめているようにしか見えなかったのです。

その動画をマスコミが嗅ぎつけて見つけてしまいました。

その様子はネットやテレビで配信されてしまいます。
近所の人々はこの少年がAだとわかると以前よりもさらに白い目で見るようになり、少年Aの家族までもがとても居心地が悪くなってしまったのです。
家族も必死に抵抗しますが、誰も信じるものはいません。

では助けられた少年Bは何故、助けられたことを発表しないのでしょうか？

実は、実際に少年Bを川に突き落としたのは、いじめっ子の少年Dだったのですが、このDがBに対して、ばらすとただじゃおかないぞ・・・？とさらに酷い暴力をあびせ、口止めしていたのです。
少年Bは今回のことで登校拒否気味になり、少年AがBの家に訪れても、Bは姿を見せる事はありませんでした。

結局少年Aは、家族と何処かへ引っ越してしまう事態になってしまいました。

そんなある日、少年Eは疑問に思っていました。
少年Eは少年Aとは幼なじみで、唯一彼のことをよく知るある意味理解者。
彼はAが自分より弱い相手をいじめるわけが無いと今回のことを不審に思っていました。
色々調べていくうちに、真犯人は少年Dだということを突き止めます。

少年EはDに事実を突きつけますが、Dはお金で解決しようとします。
少年Eはちょうどお金が必要な事情があったので、そのお金を受け取ってしまいます。
そして、結局それが常習化してしまい、EはDを脅迫し、お金を搾取し続けたのです。

ある日、我慢できなくなった少年Dは、警察に相談し、Eは逮捕されてしまいます。
そしてその原因を色々と調べていくうちに、少年AとBの事件に辿り着き、結局少年AはBを助けていたという事実がここにきてやっと浮かび上がってきたのです。
しかし、時既に遅しです。
少年Aはもうどこにいるのかもわかりません。
ネットのニュース・サイトやテレビは誤報を詫び、自体は収束しました。


・・・長くなってしまいました（笑）
で、これって一体誰が悪いんでしょうか・・・？
やはり一番悪いのはBを川に突き落としたDなんでしょうか・・・？
自分で書いててわかりませんXD
少年Aが不良でなければ・・・。
少年Bがちゃんと事実を話していれば・・・。
少年CがAとBの仲を知っていれば・・・。
少年Dがいじめなんてしていなければ・・・。
少年Eが恐喝などせずに事実を話してれば・・・。
様々な要因が考えられます。
しかし事実って操作できてしまうんですよ・・・。

誤解や悪い出来事って、単に誰かが悪いってことじゃないんですよね。
こうやって、いくつもの要因が重なって重なって、それは人数や規模が大きければ大きくなるほど、複雑になる。

今回のT-ARAのツアーの事態も、一体どうゆう成り行きでこうなったんでしょうか？
わからなくなってきました。
今、実際に会場も押さえずチケットを販売している業者を追及することは簡単です。
同じようにCCMも。
しかし、物事は複雑に絡み合って今、きっとこういう事態になっているのです。
瀬戸際でせき止めることは大切ですが、今、自分達はどうするのが最良の策なんでしょうかね・・・。
俺はただ、T-ARAの笑顔とパフォーマンスが見たいだけなのになぁ・・・。
何でこうなるんだろ。やるせないわ。

ソヨン、それでもおらぁ、東京さいぐだ
いや、お前を応援してるだぞXD
まかせとけ！（何をXD）